第六章 第五十話 問答編
マサシ 宝瓶宮(ホウベイキュウ)は、何ですか?
アキラ 宝瓶宮は、水瓶を肩に担ぐ少年である。
二分割で分類すると、男性の星座であり、
三区分で分類するとき、不動の星座であり、
四元素で分類するときは、風元素の座である。
マサシ 宝瓶宮の神話とは、どういうものですか?
アキラ オリンポスでは、時に神々の宴があり、
ゼウスとヘラーの娘である、ヘーベーが、
そのとき、酌をして回る係を、司っていた。
それ以外にも、彼女は神々の世話をしていた。
ある時、ヘーベーは、誤まって転倒し、
神々の宴会で、酌の係が出来なくなった。
ゼウスは、代わりの者が必要になったため、
以前から目を付けていた、少年を思い出した。
その少年は、美少年のガニメデであり、
ゼウスは、大鷲に化けて彼を連れ去った。
ガニメデは、ゼウスにより不老不死にされ、
オリンポスで、神々に美酒を注ぐ役となった。
彼の両親は、息子が失踪して悲しんだ。
悲しむ様子を見て、心を痛めたゼウスは、
いつも思い浮かべるよう、彼を星座にして、
風のように早く走る神馬を、父と母に贈った。
クラマ 弥勒の世は、いつ始まるのですか?
マコト 心から望んだ時に、臨める世ですから、
弥勒の世の始まりは、人により違います。
そこに集う人々は、誰も彼も弥勒菩薩です。
あなたも、菩薩に生れ変われば、始まります。
クラマ 心から望んでいるのに、始まりません。
マコト 弥勒の世のことを、勘違いしていると、
望んでいるつもりで、離れてしまいます。
誰も望んでいないので、誰も臨めていない。
当たり前な仕掛から、誰も抜け出せてません。
クラマ 菩薩の生き方とは、どのようなものですか?
マコト 雨にも負けず、風にも負けず、働いて、
特に好かれもせず、特に嫌われもしない。
財が来れば巡らせて、役を果せば廻らせる。
敵味方なく愛して、いつも感謝し笑っている。
クラマ それは、〇〇と蔑まれる、生き方に近いです。
マコト はい、その通りです、それだからこそ、
誰も望んでないし、誰も臨んでいません。
上が下になり、下が上になる、一厘の仕組。
価値の大転倒が、起きない限り、始りません。
クラマ 価値観が壊れる、辛い経験こそ大峠であり、
大峠を越えないと、弥勒に成れないのですか?
マコト 経験を介し、思い知っても良いですが、
論理を解して、悟り切っても構いません。
現実に落す前に、真理を実感してしまえば、
目から鱗が落ちて、価値が逆転するでしょう。
クラマ 弥勒の世に導くための、大峠なわけですね。
マコト 人類には、自由と責任が授けられます。
そして、出口の真理まで与えられました。
何故なら、最後の審判が始まったからです。
各自で、答え合わせを、静かに進めて下さい。
ミヤヅ 是非、弥勒の世の良い所を、教えて下さい。
マコト 何を見ても、美しく輝いて、神々しく、
何を食べても、吸う空気さえ、美味しい。
静かに止まれば、生存の歓喜が湧き上がり、
自ずから、全ての存在に、敬意と慈悲を抱く。