物語編
第六章 第四一話 物語編
第六章 修身 と 献身
第四一話 神に恋をする と 神の愛とする
〔逆に言えば、明らめなければ、諦められない。
我を諦らめるには、先に、我を明らめるしかない。
どうして、身を修められずに、身を捧げられようか。〕
〔智徳よ、明らめないゆえ、諦められないもの。
彼には、神の救いが、どのように見えるだろうか。〕
「尊師よ、愛しい我が子を危める、殺人鬼に見える。」
〔法徳よ、明らめたゆえに、諦らめられたもの。
彼には、神の導きが、どのように見えるだろうか。〕
『尊師よ、断崖の絶壁に降り立つ、救世主に見える。』
〔信じるなら、救われるとは、このことである。
窮地を明めることなく、必死に諦めることはない。
他の道が見つかるかぎり、己の力で助かろうとする。〕
〔はっきり言っておく、救い主に救いを求めて、
主よ主よと言う者が、天の国に入るわけではない。
言い疲れて、受け容れたものが、神の国に導かれる。〕
〔彼の教えを信じる者は、神に恋を為るだろう。
汝らの教えを確かめた者は、神の愛を知るだろう。
何度も、神に失恋しなければ、真の愛に近づけない。〕