物語編
第六章 第四二話 物語編
第六章 親愛 と 信愛
第四二話 他と親しむ愛 と 神を信じる愛
〔神の愛を伝えて、神の愛に仕える、バクティ。
これから、汝らに対して、愛の法を説き明かそう。
あらゆる宗教は、この法に始まり、この法に終わる。〕
〔愛の教えは、親愛と信愛に、大きく分かれる。
親愛は、善を積み重ね、業を移し変える方であり、
信愛とは、徳を積み重ね、業を乗り越える法である。〕
〔智徳よ、横に向かう親愛とは、如何なる愛か。〕
「主よ、我を愛して、他を愛する、隣人の愛かと。
他を愛した如く、己も愛される、言わば、有償の愛。」
〔法徳よ、縦に向かう信愛とは、如何なる愛か。〕
『主よ、我を忘れて、神を愛する、信仰の愛かと。
楽を忘れる限り、苦も忘れさる、言わば、無償の愛。』
〔智徳よ、親愛を明らめないと、如何なるのか。〕
「主よ、善を積まず、業に囚われ、悪に偏るかと。
光を避けて、闇に逃げる、そこに神の愛は届かない。」
〔法徳よ、親愛を諦らめないと、如何なるのか。〕
『主よ、徳を積まず、業に囚われ、善に偏るかと。
天を愛して、地を滅ぼす、それは神の愛に及ばない。』
〔妙なることだ、智徳よ、稀なることだ、法徳よ。
親愛を究めよ、その果報により、信愛に極められる。〕