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物語編

第六章 第四五話 物語編

第六章    選民   と   賤民
第四五話 神の業を知る と 神の業を拒む

 

今より、二千の昔、牡羊の時代が始まるとき、
ある民族を雛型として、旧約の法を説き明かした。
今から、かの民族に、新約の法を解き明かしにいく。

 

彼らが、謙虚に努め、旧約を果たしたならば、
彼らは、速やかに、新約の意義を見とめるだろう。
旧約の先の教え、旧約を完成するものとして畏れる。

 

彼らが、慢心に陥り、旧約を果たさなければ、
彼らは、愚かにも、契約の更改を認めないだろう。
旧約の逆の考え、旧約を破棄するものとして怖れる。

 

また、新約の登場を、逆さまに喜ぶ者がいる。
その者とは、選民に非ずと、虐げられ続けた者達。
確かに、新約は、雛型を広げ、万民を救う法である。

 

しかし、立場を変えて、繰り返す法ではない。
旧約の民が、新約の民を蔑むことも、許さないし、
新約の民らが、旧約の民を羨むことも、赦されない。

 

前者は、私に、まむしの子と呼ばれるだろう。
後者は、私に、汝らを知らないと言われるだろう。
はっきり言っておく、どちらも、神の業を信じない。

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