物語編
第六章 第四六話 物語編
第六章 善神 と 魔神
第四六話 悪に救われる と 善に救われる
〔我が業を諦めてこそ、神の業を明らめられる。
耐え難きを耐え忍び、捧げ難きを捧げ出してこそ、
大いなる犠牲は、大いなる再生を、迎えるのである。〕
〔これまで、世界を変えて来た、偉大なる魂は、
実に、この雛型の法輪を、駆使して来たのである。
どうして、命を伝えるため、命を捧げるのだろうか。〕
〔智徳よ、神の子が天命を悟ると、如何なるか。〕
「主よ、彼を神の型として、人の形が創り上がる。
天の法を求める、順縁の魂が、周りに集まり始める。」
〔天の法が、地の法に逆らうとき、如何なるか。〕
「主よ、世を治める民が、世を変える主を危める。
神の光を避ける、逆縁の魂が、周りを囲こい始める。」
〔法徳よ、選民が救い主を屠ると、如何なるか。〕
『主よ、彼の地を型として、世の形が作り上がる。
彼の地で起きたことが、あらゆる処で起こり始める。』
〔順の道が、逆の道を認めるとき、如何なるか。〕
『主よ、残る一厘の仕組を受け容れ、十分となる。
彼の時に起きたことが、次の時代まで受け継がれる。』
〔妙なることだ、智徳よ、稀なることだ、法徳よ。
犠牲を究めよ、その果報により、再生に極められる。〕