物語編
第六章 第五十話 物語編
第六章 意志 と 意思
第五十話 我に仕える心 と 神に仕える心
〔身も心も美しい少年が、神の目に止められる。
神の酒を注ぐ役を与えられ、天に住むようになる。
それを知らない両親は、少年が居なくなって悲しむ。〕
〔始め、少年ガニメデは、地の生活を懐かしむ。
それでも、神に仕えながら、我を忘れている内に、
地に於ける苦楽を忘れて、天に於ける歓喜が蘇える。〕
〔始め、父親トロースは、子の身辺を思いやる。
それでも、神に告げられて、神に捧げている内に、
我に支える善悪が取れて、神に仕える生命が蘇える。〕
〔宝瓶宮とは、別れたからこそ、分かりあえる、
分かるがゆえに、悟ることができる、真理の時代。
真理に覚めた者が、和合と調停を、取り交していく。〕
〔智徳よ、最終の戦争で疲れると、如何なるか。〕
「主よ、意志を諦らめた者が、生命の実を食べる。
即ち、魚座の時代が終わり、水瓶の時代が始るかと。」
〔法徳よ、悪魔の蛇に憑かれると、如何なるか。〕
『主よ、意思を諦らめた者が、知恵の実を食べる。
即ち、水瓶の時代が終わり、山羊の時代が始るかと。』
〔妙なることだ、智徳よ、稀なることだ、法徳よ。
果実を求めよ、その果報により、磨羯宮が開かれる。〕