物語編
第六章 第五一話 物語編
第六章 贖罪 と 復活
第五一話 人の業を負う と 神の業を示す
〔時代が変わるとき、天から救い主が降臨する。
救世主とは、世界の型として、世界を変えるもの。
先代の最後の象徴となり、次代の最初の象徴となる。〕
〔智徳よ、世界が破滅に誘われるのは、何故か。〕
「主よ、人々が、最善の世界に囚われるからかと。
その裏にある、最悪の世界を認められなくなるため。」
〔救世主は、破滅を避けるために、如何するか。〕
「その時代の最悪の象徴として、敢えて振る舞う。
その姿をして、隠されていた業が、明らかにされる。」
〔法徳よ、時代が再生に導かれるのは、何故か。〕
『主よ、人々が、先代の最善を諦らめるからかと。
その先にある、次代の最善を明められるようになる。』
〔救世主は、再生を促がすために、如何するか。〕
『その時代の最善の象徴として、鮮やかに蘇える。
その姿をして、隠されていた法が、明らかにされる。』
〔彼が屠られるように、世も葬られるのであり、
彼が生まれ変わるように、世も移り変るのである。
人は、彼を危めることなく、心を改めることがない。〕
〔私は、民に屠られるべく、神に遣わされた子羊。
民は、私を屠ることなく、魚座の時を迎えられない。〕