第六章 第三四話 対話編
CASE 幻力 の裏に 遊戯
マナミ ねぇ、マーヤ、幻力って、どういうものなの?
マサシ 幻力は、創造神が司る、創造力のことなのさ。
マナミ この世は、創造神による、幻影に過ぎないの?
マサシ そうさ、実体が存在しない、夢に過ぎないよ。
マナミ じゃ、リーラ、遊戯って、どういうものなの?
マサシ 遊戯は、創造神が司る、想像力のことなのさ。
マナミ この世は、創造神による、幻想に過ぎないの?
マサシ そうさ、神が楽しんでいる、夢に過ぎないよ。
マナミ じゃ、神様が遊ぶために、創り上げた世界で、
人類は、苦しんでいるのね、これは酷くない?
マサシ いや、僕たちだって、夢を楽しんで良いのさ。
それを、囚われるから、苦しんでしまうんだ。
マナミ この世を、夢じゃなくて、現実と思い込むと、
どうしても、遊びだと、想い込めなくなるの?
マサシ そうだよ、真剣に生きることは、大切だけど、
囚われると、深刻に死にたくなり、逆効果さ。
マナミ なるほど、この人生を、地に足を付けながら、
同時に、神の目から見る、両方が大事なのね。
マサシ うん、その時、初めて、神の想いが解るのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 幻力 の先に 遊戯
サトミ 幻を魅せる、幻力って、どういうものかな?
メグミ 幻力とは、幻影に覆われ、現実に包むことよ。
サトミ 幻影の中で、経験が無いと、どうなるのかな?
メグミ 幻影を介して、現実であると、思っているよ。
サトミ 現実の中で、経験を積むと、どうなるのかな?
メグミ 真実を解して、幻影であると、想っているよ。
サトミ 幻を演じる、遊戯って、どういうものかな?
メグミ 遊戯とは、現実に包まれ、経験を積むことよ。
サトミ 演戯の中で、経験が無いと、どうなるのかな?
メグミ 演戯を介して、真誠であると、思っているよ。
サトミ 真誠の中で、経験を積むと、どうなるのかな?
メグミ 神聖を解して、演戯であると、想っているよ。
サトミ つまり、真我が、この世界を味わうために、
自我を介して、この世界を経験しているのね。
メグミ うん、迫真の演戯のために、幻力を使うけど、
それは、知恵を研くから、神聖に繋がるのよ。
サトミ 苦しくても、真剣に生きれば、知恵が磨かれ、
最終的に、神の意を解して、真我に還るのね。
メグミ これは、真剣に生きた人しか、解らないのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 夢 見 の ヨ ー ガ
サトシ スヴァプナ・ヨーガって、どういうものかな?
マサシ 夢見に拠って、カルマを越える、方法なのさ。
サトシ どのように、夢を使って、カルマを超えるの?
マサシ 夢の中で、幻であると、意識しようとして、
この現実も、幻であると、意識しようとする。
サトシ 夢にせよ、現実にせよ、幻に過ぎないのかな?
マサシ うん、幻と悟るには、変容と受容を使うのさ。
サトシ 変容は、夢を見ながら、夢を移し変えるの?
マサシ 幻だから、実体が無いと、観じる訓練なのさ。
サトシ 受容は、夢から覚めて、幻と受け容れるの?
マサシ 幻でさえ、実感が有ると、感じる鍛練なのさ。
サトシ つまり、実感が有ろうとも、実体が無いよう、
夢の世界が見えれば、現実の世界も変わるの?
マサシ 夢で出来たことを、現実でも出来れば良いよ。
サトシ この現実を、捉え方を変えて、変えてみたり、
この実感から、覚めるかもって、見てみるの?
マサシ うん、この頑固な現実からも、覚めてしまう。
サトシ う~ん、そう言われたって、信じられないな。
マサシ だからね、最初は、夢の中で、訓練するのさ。
サトシ ……………………!!
CASE 遊戯なき幻力 と 幻力なき遊戯
サトミ 幻力と遊戯、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 実に見せる、幻力って、どういうものかな?
メグミ 幻力とは、幻影を介して、真誠と思うことよ。
サトミ 虚に見せる、遊戯って、どういうものかな?
メグミ 遊戯とは、幻影を解して、演戯と想うことよ。
サトミ 幻力を望み、遊戯に臨まないと、どうなるの?
メグミ 遊戯なき幻力なんて、唯の悪夢に過ぎないよ。
サトミ じゃ、迫ってくるだけ、覚めることがないの?
メグミ そうよ、躱わせないから、苦しくなるだけよ。
サトミ 遊戯を望み、幻力に臨まないと、どうなるの?
メグミ 幻力なき遊戯なんて、只の酔夢に過ぎないよ。
サトミ じゃ、酔っているだけ、覚めるものがないの?
メグミ そうよ、交わせないから、虚しくなるだけよ。
サトミ 幻力だけでは、嵌り過ぎて、覚れなくなり、
遊戯ばかりでは、戯れ過ぎて、悟れなくなる?
メグミ うん、幻力と遊戯、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、幻力を透して、遊戯を徹していくの?
メグミ うん、幻力を超えて、遊戯を越えていくのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 変容 の裏に 受容
マナミ 移し変える、変容って、どういうものなの?
マサシ 変容とは、夢を見ながら、夢を変えることさ。
マナミ これが、夢なら変えられる、そう捕えるの?
マサシ 幻であり、夢なら換わるはず、そう捉えるよ。
マナミ 受け容れる、受容って、どういうものなの?
マサシ 受容とは、夢を見ながら、夢を容れることさ。
マナミ これが、夢なら認められる、そう捕えるの?
マサシ 幻であり、夢なら覚めるはず、そう捉えるよ。
マナミ つまり、変わるものであり、覚めるものと、
夢の様に、何でも見とめれば、耐えられるの?
マサシ そうさ、夢の世界を通して、それを修めれば、
この、現の世界に於いて、それを活かせるよ。
マナミ う~ん、夢って、そんなに、自由になるもの?
ひたすら、流され続けて、覚める気がするの。
マサシ そうさ、夢で流されるなら、現も流されるし、
逆に、夢で流されないと、現も流されないよ。
マナミ う~ん、そう言われたって、そう思えないの。
マサシ うん、それも変えられる、いつかは覚める。
という、夢を見ているだけ、そう捉えるのさ。
マナミ ……………………
CASE 受容なき変容 と 変容なき受容
サトミ 変容と受容、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 夢を変える、変容って、どういうものかな?
メグミ 変容とは、幻と捕らえて、移し変えることよ。
サトミ 夢が覚める、受容って、どういうものかな?
メグミ 受容とは、幻と捉らえて、受け容れることよ。
サトミ 変容を望み、受容に臨まないと、どうなるの?
メグミ 受容なき変容なんて、唯の眩暈に過ぎないよ。
サトミ じゃ、夢を変えるけど、夢が覚めないのかな?
メグミ そうよ、夢から離れずに、目が瞑れるだけよ。
サトミ 受容を望み、変容に臨まないと、どうなるの?
メグミ 変容なき受容なんて、只の覚醒に過ぎないよ。
サトミ じゃ、夢が覚めるけど、夢を変えないのかな?
メグミ そうよ、夢から学べずに、目が覚めるだけよ。
サトミ 変容だけは、探し出しても、引き上げないし、
受容ばかりは、引き上げても、探し出さない。
メグミ うん、変容と受容、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、変容に臨んで、受容を望んでいくの?
メグミ うん、変容を究めて、受容を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!