第一章 第五話 問答編
マサシ 認識(ニンシキ)とは、どういうものですか?
アキラ 認識とは、意味を見とめることである。
陰陽を見とめて、意味を認めるためには、
どちらかを隠して、どちらかを現わすため、
隠す方が意識となり、現れた方が意味となる。
マサシ 主体(シュタイ)とは、どういうものですか?
アキラ 主体とは、隠れている側のことであり、
原因を司る、認めている側の意識である。
ある裏で、陰が因となり、意識を作り出し、
その表では、陽が果となり、意味を造り出す。
マサシ 客体(キャクタイ)は、どういうものですか?
アキラ 客体とは、現れている側のことであり、
結果を司る、認められる側の意味である。
ある表で、陽が果となり、意味を描き出し、
その裏では、陰が因となり、意識に刻み込む。
マサシ プラトンとは、どういうものですか?
アキラ プラトンは、ソクラテスの弟子であり、
師と対話する、対話形式の著作を通して、
亡き師の思想を、世に広める使命を負った。
本名アリストクレス、通称がプラトンである。
理想国家を構想し、政治家を志したが、
師匠を処刑した、現実の政治に幻滅した。
哲学者の統治を考え、教育に関心を抱いて、
世界初となる大学、アカデメイアを創設した。
マサシ アカデメイアは、どういうものですか?
アキラ アカデメイアは、世界初の大学であり、
学術を表わす、アカデミーの語源となる。
「幾何学を知らぬ者は、入るべからず」と、
その門に刻まれ、数学や理性が重んじられた。
カノヤ 真理を修める時は、音読の方が良いのですか?
マコト 真理は、病む意識を、治す意味であり、
無意識に、委ねながら、焦って読んでも、
決して、歪みが直る事は、無いと言えます。
どころか、好きに読み取り、歪みが増します。
また、速読の場合、言霊を損ないます。
真理に、宿っている、聖霊の力によって、
本来、心が浄められる、効果が有りますが、
辿って、音に出さないと、有効に為りません。
最善は、声に出して、音読をすること。
次善には、頭に響かせ、音読をすること。
流し読みは、論外であり、真理の冒涜です。
速読では、知識は憑いても、知恵は付かない。