第六章 第四一話 対話編
CASE 修身 の裏に 献身
マナミ 身を修める、修身って、どういうものなの?
マサシ 修身とは、神様に恋して、我を清める段だよ。
マナミ つまり、恋する神様のため、善業を積むの?
マサシ うん、神の教えを守って、悪を善と化すのさ。
マナミ 善い人の方が、神に好かれるって、考えるの?
マサシ 見返りを望んで、人の情に臨む、恋の段階さ。
マナミ 身を献じる、献身って、どういうものなの?
マサシ 献身とは、神様を愛して、我を忘れる階だよ。
マナミ じゃあ、愛する神様のため、功徳を積むの?
マサシ うん、我が考えを離れて、善を徳と化すのさ。
マナミ どんな人でも、神に愛されるって、考えるの?
マサシ 見返りを望まず、神の愛に臨む、愛の段階さ。
マナミ 人々に対して、恋して、愛していくように、
神様に対しても、恋して、愛していくのかな?
マサシ うん、人に対して、恋が長く続かないように、
同様に、神に対して、愛に切り替えるわけさ。
マナミ じゃ、神様は、善を積んでいる、自分と同様、
悪を積んでいる、敵も愛していると認めるの?
マサシ うん、恋敵さえも、愛していると認めるのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 修身 の先に 献身
メグミ わたしは、自分自身を、神様に捧げたいです。
マコト それは、素晴らしいけど、まだ、出来ないわ。
身を修め、身を捧げるのが、正しい順だから。
メグミ 捧げる前に、身を修めないと、どうなります?
マコト 悪業が多いと、神様が悪い者に、見えるのよ。
メグミ 嫌う者には、身を捧げたいと、思えませんね。
マコト それゆえ、神の教えを守り、身を修めるのよ。
メグミ 捧げる前に、身を修めるほど、どうなります?
マコト 善業が多いと、神様が善い者に、見えるのよ。
メグミ 好む者には、身を捧げたいと、想えますね。
マコト それゆえ、我が教えを破り、身を奉げるのよ。
メグミ 最終的には、我を捧げないと、いけないけど、
しっかり、育て上げないと、奉げ出せないと?
マコト 神様に、詰まらない物を、捧げられないわ。
育て上げた、最高の自我を、奉げるべきなの。
メグミ 修め無くても、修め過ぎても、捧げ難くなる。
どれぐらい、修めたら、捧げ易くなりますか?
マコト こらこら、そういう、駆け引きが要らないの。
心から、愛する相手に、全てを奉げなさいな。
メグミ ……………………!!
CASE 献 身 の ヨ ー ガ
サトシ バクティ・ヨーガって、どういうものかな?
マサシ 我を忘れて、神に捧げる、ヨーガのことだよ。
サトシ 神を愛し、自我を捧げれば、良いだけなの?
マサシ 確かに、その通りだけど、簡単じゃないよ。
サトシ 簡単だよ、だって、僕、神様、大好きだもん。
マサシ それは、恋しているだけ、愛していないのさ。
サトシ じゃ、神様が優しいときは、好きでいるけど、
反対に、神様が厳しくなると、嫌いになるの?
マサシ うん、神を愛している、我に酔っているだけ。
サトシ じゃあ、神を愛するには、どうすれば良いの?
マサシ いかなる、神様の試練にも、耐え抜けるよう、
いつも、神を思い続けて、我を鍛え抜くのさ。
サトシ じゃ、神様を愛すには、愛せる器が必要なの?
マサシ そうさ、すべての世界を、愛せるぐらいのね。
サトシ ちょっと、そういうのって、想定外だったな。
愛せば、愛してくれると、思っていたんだよ。
マサシ こちらが、愛さなくたって、愛してくれるよ。
でもね、神様の愛し方は、とても厳しいのさ。
サトシ ああ、もういいや、そんな神は好きじゃない。
マサシ ……………………
CASE 献身なき修身 と 修身なき献身
サトミ 修身と献身、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 我を鍛える、修身って、どういうものかな?
メグミ 修身とは、神様に恋して、我を修めることよ。
サトミ 我を献じる、献身って、どういうものかな?
メグミ 献身とは、神様を愛して、我を忘れることよ。
サトミ 修身を望み、献身に臨まないと、どうなるの?
メグミ 献身なき修身なんて、唯の執心に過ぎないよ。
サトミ じゃ、修めるだけでは、捕われてしまうの?
メグミ そうよ、神に恋している、我を愛してしまう。
サトミ 献身を望み、修身に臨まないと、どうなるの?
メグミ 修身なき献身なんて、只の帰心に過ぎないよ。
サトミ じゃ、献じるだけでは、荒さんでしまうの?
メグミ そうよ、我を忘れるため、神を愛してしまう。
サトミ 修身だけでは、美しい我に、酔い痴れるし、
献身ばかりでは、寂しい我を、投げ捨てるの?
メグミ うん、修身と献身、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、修身を透して、献身を徹していくの?
メグミ うん、修身を究めて、献身を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!