ＣＡＳＥ　友愛　の裏に　博愛

マナミ　ねぇ、バクティ、友愛は、どういうものなの？
マサシ　友愛とは、我を愛するよう、友を愛すことさ。
マナミ　我を介して、友を愛するほど、どうなるの？
マサシ　友が喜び、我が清くなって、善を重ねるのさ。
マナミ　我を介して、友を愛さないと、どうなるの？
マサシ　友が憂い、我が汚くなって、悪を重ねるのさ。
マナミ　じゃ、バクティ、博愛は、どういうものなの？
マサシ　博愛とは、我を愛するよう、敵を愛すことさ。
マナミ　我を介して、敵を愛するほど、どうなるの？
マサシ　我を忘れ、器が大きくなり、徳を重ねるのさ。
マナミ　我を介して、敵を愛さないと、どうなるの？
マサシ　我が現れ、器が小さくなり、徳を損なうのさ。
マナミ　つまり、愛が内に向うと、業が移り変わり、
　　　　更に、その愛が外に向うと、業を乗り越える？
マサシ　そうさ、器の中に向えば、器を清めていき、
　　　　更に、器の外に溢れ出せば、器を広げていく。
マナミ　そっか、近い人を愛すと、遠い人も愛せて、
　　　　最終的に、愛に満たされた、世界に変えるの？
マサシ　そうさ、皆が愛している、天の国に変わるよ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　友愛　の先に　博愛

サトミ　友を愛する、隣人の愛は、どういうものかな？
メグミ　友愛とは、我を愛するよう、友を愛するのよ。
サトミ　敵を愛する、隣人の愛は、どういうものかな？
メグミ　博愛とは、友を愛するよう、敵を愛するのよ。
サトミ　う～ん、良く解からない、どういうことなの？
メグミ　友愛なら、友が憎むような、敵を憎むけど、
　　　　博愛ならば、友が憎むような、敵も愛すのよ。
サトミ　まだ、良く分からない、何かに喩えて欲しい。
　　　　例えば、親友のあたしが、仇敵に殺されたら？
メグミ　友愛なら、死を悲しむから、敵を憎むけど、
　　　　博愛ならば、罪を哀しむから、敵を許すのよ。
サトミ　あなたは、あたしのために、敵討ちしないの？
メグミ　ここで、敵討ちをすると、敵と同じになるよ。
　　　　わたしは、罪を積んで、次は敵として会うよ。
サトミ　う～ん、そう考えるなら、許した方が良いの？
メグミ　わたしが、殺されても、復讐を望まないから、
　　　　だから、愛するあなたも、望まないでくれる？
サトミ　うん、それなら出来る、親友を愛したいもん。
メグミ　うふっ、だよね、これが、友愛から博愛なの。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　博　愛　の　ヨ　ー　ガ

サトシ　バクティ・ヨーガって、どういうものかな？
マサシ　他を愛して、神を愛する、ヨーガのことだよ。
サトシ　神の様に、他者を愛せれば、良いだけなの？
マサシ　確かに、その通りだけど、簡単じゃないよ。
サトシ　簡単だよ、だって、僕、人々が大好きだもん。
マサシ　それは、裁いているだけ、愛していないのさ。
サトシ　じゃ、他が友の側に居ると、好きでいるけど、
　　　　反対に、他が敵の側に回ると、嫌いになるの？
マサシ　うん、我を愛している、友を好いているだけ。
サトシ　じゃあ、他を愛するには、どうすれば良いの？
マサシ　いかなる、敵の仕打ちにも、耐え忍べるよう、
　　　　いつも、敵を受け容れて、徳を磨き抜くのさ。
サトシ　じゃ、他者を愛すには、愛せる徳が必要なの？
マサシ　そうさ、すべての存在を、愛せるぐらいのね。
サトシ　ちょっと、そういうのって、想定外だったな。
　　　　好きな人を、愛すだけだって、思っていたよ。
マサシ　こちらが、愛されなくても、愛さないとね。
　　　　つまり、汝の敵を愛せが、神様の愛し方だよ。
サトシ　ああ、もういいや、そんな神は神様じゃない。
マサシ　……………………

ＣＡＳＥ　博愛なき友愛　と　友愛なき博愛

サトミ　友愛と博愛、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　友を愛する、友愛って、どういうものかな？
メグミ　友愛とは、我を愛すほど、友を愛することよ。
サトミ　博く愛する、博愛って、どういうものかな？
メグミ　博愛とは、我を愛すほど、敵を愛することよ。
サトミ　友愛を望み、博愛に臨まないと、どうなるの？
メグミ　博愛なき友愛なんて、唯の偏愛に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、友だけ愛すると、愛が偏ってしまうの？
メグミ　そうよ、敵を愛さないと、友も愛せなくなる。
サトミ　博愛を望み、友愛に臨まないと、どうなるの？
メグミ　友愛なき博愛なんて、只の偽愛に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、敵だけ愛すると、愛が薄れてしまうの？
メグミ　そうよ、友を愛さないと、敵も愛せなくなる。
サトミ　友愛だけでは、愛が偏って、愛が狭くなり、
　　　　博愛ばかりでは、愛が届かず、愛が薄くなる？
メグミ　うん、友愛と博愛、その両方が、必要なのよ。
サトミ　そっか、バクティは、本当に、幅が広いのね。
メグミ　うん、この一言で、遍くを、愛しているのよ。
サトミ　……………………！！