第六章 第四八話 対話編
CASE 常人 の裏に 超人
マナミ 軌跡に依る、常人って、どういうものなの?
マサシ 常人とは、内に臨まずに、外に望む人なのさ。
マナミ 外に頼って、他に望むほど、どうなるのかな?
マサシ 他に従い、外を追うから、人と同じになるよ。
マナミ つまり、周りに従うと、親しい形を作るだけ?
マサシ そうだよ、常人では、新しい道は開けないよ。
マナミ 奇跡に拠る、超人って、どういうものなの?
マサシ 超人とは、外に望まずに、内に臨む人なのさ。
マナミ 内に拠って、我に臨むほど、どうなるのかな?
マサシ 己に順い、内に負うから、人と違ってくるよ。
マナミ つまり、自らに順うと、新しい型を創れるの?
マサシ そうだよ、超人こそ、新しい道を拓けるのさ。
マナミ 常人は、形を作り上げ、既知を踏み固めるし、
超人なら、型を創り上げ、未知を切り開くの?
マサシ 常人は、超人を恐れて、抑え込んでいるけど、
いざ、超人が現われると、信じ込んでしまう。
マナミ う~ん、自分が無いと、振り回されるのね。
私も、自分で考える、訓練した方が良いかな?
マサシ う~ん、そこから、自分で考えた方が良いよ。
マナミ ……………………
CASE 常人 の先に 超人
サトミ ねぇねぇ、白羊宮って、どういうものかな?
メグミ 二千年、人を主題にして、陰陽を味わうのよ。
サトミ それなら、牡羊の神話って、どういう話かな?
メグミ 兄妹が、生贄に選ばれて、天空を駆けるけど、
高い所で、人の目が眩んで、落ちてしまうの。
サトミ 地に従がう、常人って、どういうものかな?
メグミ 常人とは、外に向うから、他と等しい人だよ。
サトミ 善きにせよ、悪しきにせよ、選ばないのかな?
メグミ 選んだり、択ばれたりを、避けようとするよ。
サトミ 天に順がう、超人って、どういうものかな?
メグミ 超人とは、内に向うから、他と異なる人だよ。
サトミ 善きにせよ、悪しきにせよ、択びたいのかな?
メグミ 択んだり、選ばれたりを、求めようとするよ。
サトミ つまり、牡羊の時代は、人がテーマとなり、
この世に、常人と超人が、登場する時代なの?
メグミ そうよ、常人に依ると、牡羊が暗くなるし、
逆に、超人に拠ると、牡羊が明るくなるのよ。
サトミ そっか、人の在り方を、突き詰める二千年ね。
メグミ しっかり、味わい切ると、双魚宮に続くのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 白 羊 宮 の 時 代
サトシ あのね、白羊宮の時代は、どういう時代かな?
マサシ 白羊宮の時代は、牡羊座の神話、そのものさ。
サトシ 生贄に選ばれた兄妹が、神から遣わされた、
黄金の羊に乗って、空を飛んで行く話だよね。
マサシ この話の問題は、他力に甘えてしまった点さ。
サトシ 妹は、高さに目が眩んで、海に落ちたよね。
マサシ 本人が、望んでいないのに、天に昇らせても、
臨んでないから、天から落ちるということさ。
サトシ 兄は、輝きに目が眩んで、羊を屠ったよね。
マサシ 本人が、解からないままに、生命を与えても、
分からないから、天命を損なうということさ。
サトシ 白羊宮は、求めてないのに、与えてしまい、
次々に、腐らせてしまう、そういう時代なの?
マサシ 釈迦、モーセ、老子、孔子、ソクラテスなど。
この時代、多くの使徒が、天から贈られたよ。
サトシ しかし、人々は、その価値が解からないまま、
甘えたり、屠ったりして、腐らせてしまった。
マサシ そして、最後の贈り物、イエスも屠られた。
贖罪の山羊を以って、白羊宮は幕を降ろした。
サトシ ……………………
CASE 超人なき常人 と 常人なき超人
サトミ 常人と超人、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 白羊宮の陰、常人って、どういうものかな?
メグミ 常人とは、我が外に従う、形を作る人なのよ。
サトミ 白羊宮の陽、超人って、どういうものかな?
メグミ 超人とは、我が内に順う、型を創る人なのよ。
サトミ 常人を望み、超人に臨まないと、どうなるの?
メグミ 超人なき常人なんて、唯の凡人に過ぎないよ。
サトミ じゃ、外に従うばかり、内に順がわないの?
メグミ そうよ、そんな凡の世に、型は生まれないよ。
サトミ 超人を望み、常人に臨まないと、どうなるの?
メグミ 常人なき超人なんて、只の変人に過ぎないよ。
サトミ じゃ、内に順うばかり、外に従がわないの?
メグミ そうよ、そんな変な世に、形は産まれないよ。
サトミ 常人だけでは、型が無くて、空回りするし、
超人ばかりでは、形が生じず、空滑りするの?
メグミ うん、常人と超人、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、常人を負って、超人を追っていくの?
メグミ うん、常人を究めて、超人を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!