第六章 第五十話 対話編
CASE 我意 の裏に 神意
マナミ 自我が思う、我意って、どういうものなの?
マサシ 我意とは、内に臨まずに、外に望む意なのさ。
マナミ 外を重んじ、欲を望むほど、どうなるのかな?
マサシ 欲に従い、外を追うから、意が変わっていく。
マナミ つまり、自我に従うと、新しい物を追うだけ?
マサシ そうだよ、我意では、親しい者に会えないよ。
マナミ 真我が想う、神意って、どういうものなの?
マサシ 神意とは、外に望まずに、内に臨む意なのさ。
マナミ 内を重んじ、徳に臨むほど、どうなるのかな?
マサシ 徳に順い、内に負うから、意が定まっていく。
マナミ つまり、真我に順うと、珍しい物を終えるの?
マサシ そうだよ、神意では、懐かしい者に会えるよ。
マナミ 我意は、幻に誘われて、終極に辿り着いて、
神意なら、神に導かれて、根源に還り着くの?
マサシ 我意は、世界を明める、意志と言えるけど、
最終的に、世界を諦める、神意に繋がるのさ。
マナミ う~ん、新奇を望むと、振り回されるのね。
それなら、懐かしい物を、探してみようかな。
マサシ う~ん、そうした所で、後ろ向きで外向きさ。
マナミ ……………………
CASE 我意 の先に 神意
サトミ ねぇねぇ、宝瓶宮って、どういうものかな?
メグミ 二千年、意を主題にして、陰陽を味わうのよ。
サトミ それなら、水瓶座の神話は、どういう話かな?
メグミ 少年が、天に上げられて、神々に給仕する。
我を忘れ、神に仕えるほど、歓喜が湧いたの。
サトミ 我に仕える、我意って、どういうものかな?
メグミ 我意とは、外に向うから、憂いに至る意だよ。
サトミ 善きにせよ、悪しきにせよ、分けたいのかな?
メグミ 解したり、介されたりを、求めようとするよ。
サトミ 神に仕える、神意って、どういうものかな?
メグミ 神意とは、内に向うから、喜びに至る意だよ。
サトミ 善きにせよ、悪しきにせよ、和したいのかな?
メグミ 解したり、介されたりを、避けようとするよ。
サトミ つまり、水瓶の時代は、意がテーマとなり、
この世に、我意と神意が、登場する時代なの?
メグミ そうよ、我意に依ると、水瓶が暗くなるし、
逆に、神意に拠ると、水瓶が明るくなるのよ。
サトミ そっか、意の在り方を、突き詰める二千年ね。
メグミ しっかり、味わい切ると、磨羯宮に続くのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 宝 瓶 宮 の 時 代
サトシ あのね、宝瓶宮の時代は、どういう時代かな?
マサシ 宝瓶宮の時代は、水瓶座の神話、そのものさ。
サトシ 身も心も美しい少年が、ゼウスの目に適って、
神々に仕えるため、天に還って行く話だよね。
マサシ この話の問題は、急に天に引き上げた点だよ。
サトシ 少年のガニメデは、親との別れを悲しんだよ。
マサシ 突然、両親と別れて、神に招かれたからね。
しかし、我を忘れて仕えて、悲しみも消えた。
サトシ 父親のトロースは、子との別れを悲しんだよ。
マサシ 突然、息子が消えて、気が動転したからね。
しかし、神に奉げたと知り、喜びに変わった。
サトシ 宝瓶宮は、離れ離れになった、二つのものが、
神を介して、一つに合さる、そんな時代なの?
マサシ そうさ、白羊宮の様に、依存する事もなく、
あるいは、双魚宮の様に、逃避する事もない。
サトシ そして、一人ひとりが、自ら進化を意志する。
それこそ、アクエリアス、水瓶座の時代なの?
マサシ そうさ、進化を選んだ者から、択ばれていく。
待っていても、救われない、真理の時代だよ。
サトシ ……………………!!
CASE 神意なき我意 と 我意なき神意
サトミ 我意と神意、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 宝瓶宮の陰、我意って、どういうものかな?
メグミ 我意とは、我が外に示す、我なる意のことよ。
サトミ 宝瓶宮の陽、神意って、どういうものかな?
メグミ 神意とは、我が内に記す、神なる意のことよ。
サトミ 我意を望み、神意に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神意なき我意なんて、唯の失意に過ぎないよ。
サトミ じゃ、外に示すばかり、内に記してないの?
メグミ そうよ、内が充たされず、外に求めるだけよ。
サトミ 神意を望み、我意に臨まないと、どうなるの?
メグミ 我意なき神意なんて、只の賀意に過ぎないよ。
サトミ じゃ、内に記すばかり、外に示してないの?
メグミ そうよ、外に捕らわれず、内に満ちるだけよ。
サトミ 我意だけでは、呪うばかり、捕えられないし、
神意ばかりでは、祝うばかり、捉えられない。
メグミ うん、我意と神意、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、我意を介して、神意を解していくの?
メグミ うん、我意を究めて、神意を極めていくのよ?
サトミ ……………………!!