第六章 第五二話 対話編
CASE 白羊 の裏に 双魚
マナミ アリエス、白羊宮って、どういうものなの?
マサシ 白羊宮とは、英雄が現る、従属の時代なのさ。
マナミ 牡羊座に、英雄が表れると、どうなるのかな?
マサシ 英雄により、絶対的な価値が、説かれるのさ。
マナミ 英雄に従がう、良い点とは、どういうもの?
マサシ 闇黒が崩れ、光明が表われる、ところなのさ。
マナミ 英雄に順がう、悪い点とは、どういうもの?
マサシ 対等が壊れ、階級が現われる、ところなのさ。
マナミ ピスケス、双魚宮って、どういうものなの?
マサシ 双魚宮とは、英雄が去る、独立の時代なのさ。
マナミ 魚の座に、英雄が消えると、どうなるのかな?
マサシ 人々により、相対的な価値が、解かれるのさ。
マナミ 英雄を損なう、良い点とは、どういうもの?
マサシ 階級が崩れ、対等が表われる、ところなのさ。
マナミ 英雄を害なう、悪い点とは、どういうもの?
マサシ 光明が壊れ、闇黒が現われる、ところなのさ。
マナミ つまり、支配に疲れて、自立を望むけれど、
それには、闇に打ち克つ、勇気が要るわけね。
マサシ そうさ、性愛に耽っている、場合じゃないよ。
マナミ ……………………!!
CASE 白羊 の先に 双魚
サトミ 山羊の時代、白羊宮は、どういうものかな?
メグミ 白羊宮は、贖罪の山羊が、閉じる時代なのよ。
サトミ 英雄崇拝を、諦らめるには、どうするのかな?
メグミ 他の者に、依存するほど、従属してしまう。
それを、嫌というほど、見せ付ければ良いよ。
サトミ じゃ、英雄として現れて、絶対服従を迫るの?
メグミ 人々は、預言上の救世主を、求めるけれど、
裏切られ、期待が外れて、頼らなくなるのよ。
サトミ 魚座の時代、双魚宮は、どういうものかな?
メグミ 双魚宮は、贖罪の山羊が、開ける時代なのよ。
サトミ 万民博愛を、明らめるには、どうするのかな?
メグミ 汝の敵を、殲滅するほど、復活してしまう。
それを、是というまで、魅せ付ければ良いよ。
サトミ じゃ、生贄として表れて、自己犠牲を果すの?
メグミ 人々は、十字架に懸け、屠ろうとするけど、
許されて、悔い改めると、愛そうとするのよ。
サトミ 白羊の段は、誰かを選んで、祭り上げるけど、
双魚の階では、誰をも択ばず、巻き込むのね。
メグミ いつまでも、人を選んでる、時代じゃないよ。
サトミ ……………………!!
CASE 贖 罪 の 山 羊
サトシ 救世主である、贖罪の山羊は、どういうもの?
マサシ 白羊宮の最後の象徴で、双魚宮の最初の象徴。
白羊宮から双魚宮に、人類を導く救世主だよ。
サトシ 生贄の兄妹が、空を飛ぶ羊に、救われたけど、
高さに目が眩み、海に落ちると、白羊宮だね。
マサシ 依存してしまうから、支配をされてしまう。
戦争と服従を象徴する、英雄崇拝の時代だよ。
サトシ 性の愛と愛の神が、怪物から、逃れるために、
尾を結び合った、魚に化けると、双魚宮だね。
マサシ 快楽を求めるから、苦痛に追われてしまう。
対立と犠牲を象徴する、二極分化の時代だよ。
サトシ 権力に支配された人々を、救おうとしたけど、
性愛に耽溺している人々に、屠られてしまう。
マサシ うん、そういう人が現れたら、贖罪の山羊さ。
サトシ そして、彼を認めない者は、白羊宮に止まり、
逆に、彼を見とめる者は、双魚宮に入れるの?
マサシ そうさ、白羊宮の終末、選民の中に現れたよ。
サトシ じゃ、選ばれた人だけが、認められたんだね。
マサシ でもね、人づてで聴くから、歪んでしまった。
サトシ ……………………
CASE 双魚なき白羊 と 白羊なき双魚
サトミ 白羊と双魚、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 選民を司る、白羊宮は、どういうものかな?
メグミ 白羊宮は、選ばれた者が、仕組に関る時代よ。
サトミ 万民を司る、双魚宮は、どういうものかな?
メグミ 双魚宮は、総べての者が、仕組に関る時代よ。
サトミ 白羊を望み、双魚に臨まないと、どうなるの?
メグミ 双魚なき白羊なんて、他人事に過ぎないのよ。
サトミ じゃ、自分が関れずに、他人に任すだけなの?
メグミ そうよ、自業自得だって、実感し難くなるよ。
サトミ 双魚を望み、白羊に臨まないと、どうなるの?
メグミ 白羊なき双魚なんて、無鉄砲に過ぎないのよ。
サトミ じゃ、部分で試さずに、全体で挑むだけなの?
メグミ そうよ、無為自然だって、納得し難くなるよ。
サトミ 白羊だけでは、慎重過ぎて、悟り難くなり、
双魚ばかりでは、大胆過ぎて、悟り難くなる?
メグミ うん、白羊と双魚、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、白羊を透して、双魚を徹していくの?
メグミ うん、白羊を究めて、双魚を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!