第六章 第五五話 対話編
CASE 闇黒 の裏に 光明
マナミ ねぇ、ライト、光明って、どういうものなの?
マサシ 光明とは、光の陣営を司る、神の使徒なのさ。
マナミ 光の使徒は、善を説いて、善の陣営を導くの?
マサシ 善い者を、導くために、大いなる善が必要さ。
マナミ 善人に、善が説かれるの、どうしてなのかな?
マサシ 善と善は、親しみ合い、流れが生じるからさ。
マナミ 善を認める、欲を説いて、善を率いるのかな?
マサシ そうだよ、大きな欲をして、引き寄せるのさ。
マナミ じゃ、ダーク、闇黒って、どういうものなの?
マサシ 闇黒とは、闇の陣営を司る、神の使徒なのさ。
マナミ 闇の使徒は、徳を解いて、悪の陣営を誘うの?
マサシ 悪い者を、誘うために、大いなる徳が必要さ。
マナミ 悪人に、悪を説かないの、どうしてなのかな?
マサシ 悪と悪は、憎しみ合い、流れを妨げるからさ。
マナミ 悪も認める、徳を解いて、悪を率いるのかな?
マサシ そうだよ、大きな徳をして、受け容れるのさ。
マナミ う~ん、天国の頂に座る、地獄の底を支える。
前者より、後者の方が、遥かに難しいのかな?
マサシ おっと、それについては、闇に隠しておいて。
マナミ ……………………!!
CASE 闇黒 の先に 光明
サトミ 光が隠れる、闇黒って、どういうものかな?
メグミ 闇黒とは、光を閉ざして、業が隠れることよ。
サトミ 闇を以って、業を隔すとき、どうなるのかな?
メグミ 罪が現われて、心が汚くなり、暗くなるのよ。
サトミ 闇を照らす、光明って、どういうものかな?
メグミ 光明とは、闇を明かして、業が現れることよ。
サトミ 光を持って、業を表すとき、どうなるのかな?
メグミ 罪が洗われて、心が清くなり、明るくなるよ。
サトミ じゃ、闇で隠そうとすると、罪が現れるし、
反対に、光で見ようとすると、罪が消えるの?
メグミ そもそも、隠そうとすることが、罪なのよ。
すべて、認めようとするなら、罪にならない。
サトミ えっ、何を行なっていても、罪にならないの?
メグミ でもね、他が悲しむなら、隠したくなるし、
逆に、他が喜んでいるなら、認めたくなるよ。
サトミ 中には、他が嘆くことを、楽しむ人も居るよ。
メグミ うん、実は、そういう人は、確信犯なのよ。
サトミ そっか、心底、良い事と、思っているわけね。
メグミ 悪人では想えないけど、魔神は思っているよ。
サトミ ……………………
CASE 光明 という 闇黒
サトシ 僕は、闇の勢力と戦う、光の戦士になったよ。
マサシ 光と闇に分け、敵と戦うのが、闇黒であり、
闇と光に別けて、敵を愛すのが、光明なのさ。
サトシ えっと、君は、光の陣営だと、騙っている、
僕は、闇の陣営に過ぎないって、言いたいの?
マサシ そうさ、覚めた者から見ると、そう見えるよ。
サトシ 闇の力は、人界に閉じ込め、封印するけど、
光の勢力は、天界に導き、解放してくれるよ。
マサシ 光の側は、そうやって、善業を積むからさ。
でもね、そうしていると、最後は堕ちていく。
サトシ じゃ、天界に行っても、堕天するだけなの?
マサシ だから、天界に逝かずに、解脱して欲しいよ。
サトシ あっ、そんなことを言って、もしかすると、
君こそ、天界行きを邪魔する、闇の勢力だな。
マサシ そうして、光と闇に分ける性が、闇の本性さ。
サトシ 違うよ、光の陣営は、善い存在ばかりだよ。
善意から、天使は、人類を、天に導いている。
マサシ 君らも、欲界に閉じ込め、封印しているよ。
善意から、悪魔は、人類を、天に誘っている。
サトシ ……………………
CASE 光明なき闇黒 と 闇黒なき光明
サトミ 闇黒と光明、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 目を閉じる、闇黒って、どういうものかな?
メグミ 闇黒とは、認めないから、闇を愛する陣営よ。
サトミ 目を開ける、光明って、どういうものかな?
メグミ 光明とは、認めたいから、光を愛する陣営よ。
サトミ 闇黒を望み、光明に臨まないと、どうなるの?
メグミ 光明なき闇黒なんて、唯の廃墟に過ぎないよ。
サトミ じゃ、光が無いならば、闇も戦えなくなるの?
メグミ そうよ、意味が見えない、暗黒が残るだけよ。
サトミ 光明を望み、闇黒に臨まないと、どうなるの?
メグミ 闇黒なき光明なんて、只の空虚に過ぎないよ。
サトミ じゃ、闇が無いならば、光も闘えなくなるの?
メグミ そうよ、意味が失われた、空白が残るだけよ。
サトミ 闇黒だけでは、暗く過ぎて、刮目するだけ、
光明ばかりでは、明る過ぎて、盲目になるの?
メグミ うん、闇黒と光明、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、闇黒を透して、光明を徹していくの?
メグミ うん、闇黒を究めて、光明を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!