第六章 第六四話 対話編
CASE 人事 の裏に 神事
マナミ ねぇ、イシヤ、石工って、どういうものなの?
マサシ イシヤは、人の意志を司る、メイソンなのさ。
マナミ 支配する者、イシヤは、どんな教えを説くの?
マサシ これ善し、あれ悪し、という、我善しの法さ。
マナミ 人々が、イシヤに支配されると、どうなるの?
マサシ 人の世が、自業自得の世界に、なっていくよ。
マナミ じゃ、メシア、救世主は、どういうものなの?
マサシ メシアは、神の御心を司る、メサイアなのさ。
マナミ 救済する者、メシアは、どんな教えを解くの?
マサシ これ良し、あれ良し、という、皆良しの法さ。
マナミ 人々が、メシアに救済されると、どうなるの?
マサシ 人の世が、自利利他の世界に、なっていくよ。
マナミ う~ん、どうして、イシヤに支配されるの?
マサシ メシアの教えが、イシヤに支配されるからさ。
マナミ じゃ、メシアを信じて、イシヤに従がうの?
マサシ そうさ、気づかない間に、気づかれない内に、
メシアの教えが、イシヤの教えに、摩り替る。
マナミ それは、イシヤが存在するから、いけないの。
メシアが、イシヤを滅ぼせば、善いだけなの。
マサシ ……………………
CASE 人事 の先に 神事
サトミ ワレヨシの、人事って、どういうものかな?
メグミ 人事とは、イシヤが司る、人の仕掛のことよ。
サトミ 人の仕掛は、これ善し、あれ悪し、だよね?
メグミ あれもこれも、自らが善いから、我善しだよ。
サトミ 利己の法は、我に善く、他に悪し、だよね?
メグミ 我善しの法と、利己の法は、同じものなのよ。
サトミ ミナヨシの、神事って、どういうものかな?
メグミ 神事とは、メシアが司る、神の仕組のことよ。
サトミ 神の仕組は、これ良し、あれ良し、だよね?
メグミ あれもこれも、何れも良いから、皆良しだよ。
サトミ 利他の法は、他に善く、我に悪し、だよね?
メグミ 皆良しの法と、利他の法は、違うものなのよ。
サトミ 利己にせよ、利他にせよ、善悪を介するけど、
その一方、皆良しの教えは、善悪を越えるの?
メグミ そうよ、皆良しを利他と、同じと捕えると、
皆良しが、我善しの教えに、摩り替わるのよ。
サトミ そっか、利他は善いけど、利己は悪いもの。
これって、これ善し、あれ悪し、我善しだね。
メグミ うふっ、善悪を解かないと、仕掛は解けない。
サトミ ……………………!!
CASE 一 厘 の 仕 組
サトシ 九分九厘の、イシヤの法は、どういうもの?
マサシ これ善し、あれ悪し、という、我善しなのさ。
サトシ 残る一厘の、メシアの法は、どういうもの?
マサシ これ良し、あれ良し、という、皆良しなのさ。
サトシ つまり、世界の九分九厘が、利己的になって、
一厘だけ、利他的になる、それが一厘の仕組?
マサシ そうとると、一厘のままで、十分にならない。
富士を悟ると、鳴門に至れる、尾張の仕組さ。
サトシ 富士、即ち、不二とは、どういう意味なの?
マサシ 不二は、イシヤとメシアが、一つになること。
サトシ 鳴門、即ち、成十とは、どういう意味なの?
マサシ 成十は、九分九厘と一厘で、十分になること。
サトシ それなら、九分九厘のイシヤを、認めないと、
一厘のメシアが、十分に成らない、ってこと?
マサシ そうさ、イシヤこそ、メシアの裏の顔なのさ。
サトシ そんなの、絶対やだよ、あいつら赦せないよ。
イシヤって、悪魔崇拝の、あの666なのに。
マサシ 残念だな、最後の仕掛けに、君も嵌まったね。
あれ悪しと、見とめない限り、君もイシヤさ。
サトシ ……………………
CASE 神事なき人事 と 人事なき神事
サトミ 人事と神事、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 九分九厘の、人事って、どういうものかな?
メグミ 人事とは、イシヤが司る、我善しの教えだよ。
サトミ 残る一厘の、神事って、どういうものかな?
メグミ 神事とは、メシアが司る、皆良しの教えだよ。
サトミ 人事に望み、神事に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神事なき人事なんて、我悪しに過ぎないよ。
サトミ じゃ、神事を認めない、人事は有り得ないの?
メグミ そうよ、皆良しを否めば、我悪しに為るのよ。
サトミ 神事に望み、人事に臨まないと、どうなるの?
メグミ 人事なき神事なんて、我善しに過ぎないよ。
サトミ じゃ、人事を認めない、神事は有り得ないの?
メグミ そうよ、我善しを否めば、我善しに為るのよ。
サトミ 人事だけでは、九分九厘で、十分ではなく、
神事ばかりでは、一厘だけで、充分ではない?
メグミ うん、人事と神事、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、人事を介して、神事を解していくの?
メグミ うん、人事を究めて、神事を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!