第一章 第十二話 対話編
CASE 原因 の裏に 結果
マサシ 原因が生まれるとき、結果が埋まれている。
結果なき原因もないし、原因なき結果もない。
マナミ 原因から結果が生まれて、時間が流れるの?
マサシ 原因ならば結果、その実感こそ、時間なのさ。
マナミ 時の流れは、果に囚われると、どうなるの?
マサシ 果を望み、因果に縛られ、実感に溺れるのさ。
つまり、感情に溺れて、同じ流れを繰り返す。
マナミ 時の流れは、因を確かめると、どうなるの?
マサシ 因に臨み、因果が解けて、実感を越えるのさ。
つまり、感情が溶けて、違う流れに移り変る。
マナミ それなら、実感とは、因果を繰り返すことで、
原因が、見えないほど、当然に見とめるもの?
マサシ うん、その最たるものが、感情として現れる。
マナミ う~ん、そう言われたって、そう思えないの。
因果って、感情を越えている、そのはずなの。
マサシ そっか、じゃあ、どうして、そう思うんだい?
マナミ 1+1=2、これは、感情を、越えているの。
誰が見たって、これは、当然に、決まってる。
マサシ ほら、無意識で、実感に、溺れてしまうのさ。
マナミ ……………………
CASE 原因 の先に 結果
サトミ 因なるもの、原因って、どういうものかな?
メグミ 原因とは、時間を進める、契機となるものよ。
サトミ 果なるもの、結果って、どういうものかな?
メグミ 結果とは、時間を止める、契機となるものよ。
サトミ つまり、原因ならば結果で、時間が流れるの?
メグミ そうなの、因果の関係に、実感が湧き上がる。
サトミ じゃあ、その関係が弱いと、どうなるのかな?
メグミ その間が、広くなるから、時間は延び易く、
その関連が、緩くなるから、実感は湧き難い。
サトミ じゃあ、その関係が強いと、どうなるのかな?
メグミ その間が、狭くなるから、時間は延び難く、
その関連が、緊くなるから、実感は湧き易い。
サトミ 時間を掛けて、実感を高める、そんな感じ?
因果が強ければ、早く済むけど、弱いと遅い。
メグミ 繰り返す前は、因果が弱くて、実感も弱い。
繰り返した後は、因果が強くて、実感も強い。
サトミ 時間を掛けて、実感を得ると、因果を越える。
なるほどね、なんとなくね、そんな気がする。
メグミ 因果を解して、時間を掛けて、実感してみて。
サトミ ……………………!!
CASE 原因 という 結果
サトシ 結果を現す、原因って、どういうものかな?
マサシ 原因とは、陽を現すため、裏に隠れる陰だよ。
サトシ 原因を表す、結果って、どういうものかな?
マサシ 結果とは、陰を表すため、表に現れる陽だよ。
サトシ いつも、原因と結果は、同じ組み合せなの?
マサシ 本来なら、いかなる、組み合せでも良いけど、
過去に、囚われるから、従来と同じになるよ。
サトシ えっ、何と組み合せても、本当に大丈夫なの?
マサシ 例えば、朝が訪れると、太陽は東に昇るけど、
次の日は、西に昇っても、何も問題は無いよ。
サトシ ううん、そんなのウソだよ、有り得ないよ。
マサシ いや、東と思い込むから、有り得ないだけ、
今から、西と想い込むなら、在り得るわけさ。
サトシ いや、そんなのウソだよ、有り得ないって。
マサシ まさに、過去に縛られ、同じ因果を繰り返す。
そうして、絶対に正しい、実感が湧き上がる。
サトシ そうさ、絶対に正しいもん、間違ってないよ。
マサシ うん、君から見ていると、君の実感は正しい。
でもね、僕から見ると、僕の因果も正しいよ。
サトシ ……………………
CASE 結果なき原因 と 原因なき結果
サトミ 原因と結果、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 陰なるもの、原因って、どういうものかな?
メグミ 原因とは、意識に隠れて、意味を映すものよ。
サトミ 陽なるもの、結果って、どういうものかな?
メグミ 結果とは、意味に現れて、意識に移るものよ。
サトミ 原因を望み、結果に望まないと、どうなるの?
メグミ 結果なき原因なんて、唯の結果に過ぎないよ。
サトミ じゃ、表が無かったら、裏に潜めないのかな?
メグミ そうよ、因として隠れず、新しい果となるよ。
サトミ 結果を望み、原因に臨まないと、どうなるの?
メグミ 原因なき結果なんて、只の原因に過ぎないよ。
サトミ じゃ、裏が無かったら、表に出れないのかな?
メグミ そうよ、果として現れず、新しい因となるよ。
サトミ 因だけは、それが因となり、結果となるし、
果ばかりは、それが果となり、原因となるの?
メグミ うん、原因と結果、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、原因を負って、結果を追っていくの?
メグミ うん、原因を収めて、結果を納めていくのよ。
サトミ ……………………!!