第一章 第十三話 対話編
CASE 因果 の裏に 条件
マナミ 低次を司る、因果って、どういうものなの?
マサシ 因果とは、実感を与える、意味を作るものさ。
マナミ 意味を作る、因果律は、どういうものなの?
マサシ 因果律は、原因ならば結果、この型のことさ。
マナミ 先の原因が、後の結果を、陰から支えるの?
マサシ そうだよ、原因が無ければ、実感も無いのさ。
マナミ 高次を司る、条件って、どういうものなの?
マサシ 条件とは、実感を変える、意識を造るものさ。
マナミ 意識を造る、因縁律は、どういうものなの?
マサシ 因縁律は、因果という条件、この型のことさ。
マナミ 表の因果を、裏の条件が、影から支えるの?
マサシ そうだよ、条件が変われば、実感も変るのさ。
マナミ つまり、因果が強ければ、実感も強くなる。
その上で、条件が変われば、実感も変わるの?
マサシ 例えば、好きに為るほど、嫌いに為るけど、
その上で、条件が変われば、好き嫌いが変る。
マナミ そっか、因果の実感には、表と裏が有るけど、
どちらを、選ぶのかは、条件が決めるわけね。
マサシ そうさ、いかなる意味も、意識が極めている。
マナミ ……………………!!
CASE 因果 の先に 条件
サトミ 意味を司る、因果って、どういうものかな?
メグミ 因果とは、意識を介して、意味を作るものよ。
サトミ 原因と結果、因果律は、どういうものかな?
メグミ 因果律は、原因ならば結果、この型のことよ。
サトミ 原因と結果、両者を相として、捕えているの?
メグミ うん、「ならば」の部分に、実感が湧くのよ。
サトミ 次々に、原因が結果になって、湧き上がるの?
メグミ うん、過去が現在になって、相を作り上げる。
サトミ 意識を司る、条件って、どういうものかな?
メグミ 条件とは、意味を解して、意識を造るものよ。
サトミ 因果と条件、因縁律は、どういうものかな?
メグミ 因縁律は、因果という条件、この型のことよ。
サトミ 因果と条件、両者を層として、捉えているの?
メグミ うん、「という」の部分に、実感が重なるの。
サトミ 次々に、因果が条件になって、積み上がるの?
メグミ うん、意味が意識になって、層を造り上げる。
サトミ つまり、因果律に依って、意味を作り上げ、
更に、因縁律に拠って、意識を造り上げると。
メグミ うふっ、ということなの、あなたが決めてね。
サトミ ……………………!!
CASE 因果 という 条件
マサシ 隠れた、条件が変わるとき、実感が換わる。
すなわち、現在の実感なんて、条件次第だよ。
サトシ 少なくとも、数学の世界は、変わらないよ。
たとえば、1+1=2は、絶対に変らないよ。
マサシ 確かに、それは、この世界では、当然だけど、
1+1が、1になる世界では、実感が変わる。
サトシ もうっ、そこまで変えれば、当たり前だよ。
マサシ いやいや、条件次第って、言っておいたよね。
サトシ そうだけど、1+1=1は、変え過ぎだって。
マサシ 幾らでも、変え得るのに、変えようとしない。
固定観念で、無意識に、条件を固定している。
サトシ そうかな、僕は、断じて、そうは思わないよ。
マサシ じゃあ、君は、紙に描いた、器で水が飲める?
サトシ そんなの、不可能だって、出来る訳がないよ。
マサシ 君には、出来ないけど、僕には出来るのさ。
ほら、こうして、紙を丸めて、水を注ぐのさ。
サトシ もうっ、そこまで変えれば、当たり前だよ。
マサシ いやいや、条件次第って、言っておいたよね。
なのに、理屈を捏ねて、条件を変えないのさ。
サトシ ……………………
CASE 原因 と 条件 と 結果
マサシ この世は、原因と条件と結果で出来ている。
「『原因ならば結果』という条件」なんだよ。
マナミ 『原因ならば結果』は、どういうものなの?
マサシ 因果律は、意味が現れる、外側の空間なのさ。
マナミ 「因果という条件」は、どういうものなの?
マサシ 因縁律は、意識が隠れる、内側の時間なのさ。
マナミ 内を忘れて、外を覚えると、どう見えるの?
マサシ 条件を忘れて、因果が固まり、意味が定まる。
マナミ 外を忘れて、内を覚えると、どう見えるの?
マサシ 因果を支える、条件が変わり、意味が換わる。
マナミ それじゃ、空間に現れる、現在の意味とは、
他でもない、時間に隠れる、過去の意識なの?
マサシ そもそも、現在の実感は、自由に決められる。
それを、現実に定めるのは、過去の時間だよ。
マナミ じゃ、過去に捕らわれず、現在を捉えれば、
自由に、条件を変えて、実感を換えられるの?
マサシ そうだよ、でも、これが、なかなか難しいよ。
マナミ ううん、簡単に出来る、そんな実感が有るの。
マサシ ほら、そんな実感でさえ、なかなか変らない。
マナミ ……………………