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物語編

第一章 第二十話 物語編

第一章    未来   と   過去
第二十話 実感なき結果 と 実感なき原因

 

すると、彼は、愉快そうに笑いながら、言って来た。

 

そうか、行ってしまうのは、残念なことだが、
ここで、行かないようなら、もはや、君ではない。
もし、行かなかったなら、私も興を削がれただろう。

 

いや、試した訳ではない、本心に違いはない。
私は、ここの主に興味があり、君に興味を持った。
つまり、主に会いに向かう、君に興味が有った訳だ。

 

君が、主に会いに行く、それ以外に道はなく、
君が、主と向き合える、残された時は僅かである。
我々は、主君が着き次第、実力を以って奪還を行う。

 

君を殺したくはないが、命の保証は出来ない。
戻るのが遅過ぎれば、巻き添えを喰らうだろうし、
変わるのが酷過ぎれば、地の獄まで追い込むだろう。

 

過去に、老師を訪ねる若者は、何人も現れた。
彼らは、主の真似さえすれば、救われると信じて、
あるいは、主に従いさえすれば、選ばれると驕った。

 

何か信じただけで、何が変わるのか、滑稽だ。
自尊心を擽すぐられて、偉い者に選ばれて喜ぶか。
何が変わったというのか、何も換わってはおるまい。

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